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言葉のマジック!?

少数ではありますが、ここで本質を鋭く切り込んで綴っている事に共感?理解?を得ているので、今回も店主の戯言として書いていこうかと思います。

自転車の歴も人生経験も積み重ね、熟成されたライダーには無用のものと思いますが、今回は言葉のマジックのとして『コスパ』について話してみようと思います。

最近ネットで溢れかえっている言葉の一つに『コスパが良い』とか『コスパのわりに』のコスパはバブル崩壊後に頻繁に使われてきました。現在では、消費者の味方・嬉しいワードとして定着していると思います。

『コスパ』の言葉を分解すると、「コストパフォーマンス」→「コスト」「パフォーマンス」いわゆる『費用対効果』の和製英語なんですよね。

と前置きをしまして、ここから本題です。

本来ならばパフォーマンスが高い物に対して使われるべき言葉が、最近では「安いだけ」=「コスパが良い」として刷り込まれていませんか?

消費者を誘惑する言葉の反面パフォーマンスは置き去りにされています。と言うか誤魔化されていませんか?

 

例を挙げていきましょう。

顕著な例として、最近増えている自転車を保護するガラスコート。以前にもここのブログで書いたことがあったかもしれませんが、聞こえは非常に良いので施工される人も増えています。しかし賢い人は騙されません。

ガラスコートと言っても溶剤に1%でもガラス素材が入っていてもガラスコートと謳えるので価格は安価に作れ、施工すれば安い原価で作業工賃を稼ぐことが出来ます。が、樹脂素材を多く含むため経年劣化が酷く、数年経過すれば白ボケしクモの巣の様にひび割れてきます。何度か安価なガラスコート施工した自転車を見受けましたが、施工していないこちらが心痛みました。

逆に車などに使われるガラスコートを自転車に施工してしまうとカーボンやアルミのしなりに付いてこれずクラックが入って1本の筋が見えます。この例はガラスコートが割れるので、フレームが割れたのではないかと錯覚されるケースがあります。

知識不足、あるいは利益だけを追求した安価なものを販売する手法なので、パフォーマンスは良いとは言えないのでコスパが良いとは言えないでしょう。

 

次に挙げる例として最近増えている安価なカーボンフレームやカーボンホイール。

よく謳われる例として、「○○メーカーさんのOEMを受けている信頼ある工場で作っています。」「○○メーカーさんと同等の物です。」

これはC国さんの工場直の物ですが、見た目は素晴らしく消費者の目を引きつけます。しかし賢い人は騙されません。

いくら某有名メーカーに似せて作っても、まったく同じ形状で販売すれば訴えられます。なので、ちょこっとだけ形状を変えたり仕様を変えなくてはなりません。そこで行うのが卓上企画。「今流行りの形状はこんなんじゃね?」「あそこのメーカーのこれとこっちのメーカーのこれを組み合わせて作ればいんじゃね?」

そうして出来上がったC国の工場直メーカーのカーボンフレームやカーボンホイールは、実走実験や風洞実験はもとより、応力計算などもしないので、開発コストは要らずコスパが良いと謳い始めます。

で、何が起こるかというと、きちんと開発を重ねてきているメーカーのクォリティーと比べれば、同じレベルには到達する事はないので「乗り始めは良いけど、後半伸びない。」「乗り感がしっくりこない。」「自分の力が発揮できてる?」

開発費をかけて、きちんと作りこまれた物を知っている人からすれば、似て非なるものと見破ってしまいますが、それしか知らない人は素晴らしく思えるかも知れません。

OEMするメーカーさんと同じレベルの開発と実験にコストを費やし、高いクオリティーまで到達し、それでも魅力的な価格であればコスパが良いと言えるでしょう。

TOYOTAが同車種で低価格帯をリリースすれば「コスパ最高」と称されるでしょうが、TOYOTAを真似て作ったC国の車が「コスパ」を語っても称賛する人は多くはないでしょう。

つらつらと綴りましたが、何を言いたいかというと、全てではありませんが安い物には訳がある・表面の魅力的な言葉の裏に隠されている本質を理解しないといけない。

死語になっていると思っていた「安かろう悪かろう」は、「コスパ良い」に言葉を変えて騙しやすい人をいつの時代も狙っているように思えます。

 

なぜ今C国の工場直メーカーが氾濫してきたのか?それには大まかに2つの要因があります。

1つ目として世界的な景気の悪化とC国離れ。

C国でカーボンを扱っている工場は、代表的なもので5つありましたがコロナで商品が回らなくなり、複数の工場がいきなり半導体の生産工場に切り替わりました。いかにもC国らしい身変わりの速さ。

それに嫌気がさして複数のOEMを出していたメーカーが、本国生産に戻したり他の国に生産拠点を移しています。

やはりクオリティーとパフォーマンスはメーカーの生命線なので、価格面よりクオリティーにシフトした結果だろうと思います。これは自転車業界だけでなく、様々な業界にみられる現象になっています。日本の企業の多くもC国から撤退しています。現在起こっているC国崩壊の一因ですね。

2つ目として残ったカーボン工場もOEMの生産数が落ち込み、生産台数を確保するために・・・。といったところが背景にあるようです。

C国経済が破綻の一途を辿る状況にあっても雇用を確保するため工場を動かします。余った在庫を国内需要だけでは消費できません。元々OEMの工場ですから、海外に輸出する前提としているので当然海外に出していかなくてはなりません。

そこでC国工場直のメーカーが乱立し「コスパが良い」と謳い始め、ネットの謳い文句にすがり、パフォーマンスよりコストを優先。自分の選択が間違ってなかったと言い聞かせ周囲の問いにも「コスのわりに良い感じ」としか返せない。

自分の大切な人生の中で、趣味を楽しめる時間は限られています。その貴重な時間で何を選択するかは皆さんそれぞれ。本質を理解できず表面の見栄えに執着する人もいらっしゃいます。

人生経験も積み重ね、熟成されたライダーの目は誤魔化せないでしょう。ネットの文言に惑わされず、本当に価値のある物をチョイスして、安心安全に、そして自分の力を思う存分発揮してくれる道具で楽しんで下さい。